腸閉塞は突然に<番外編> 崖から突き落とされたライオンの学び

腸閉塞は突然に<番外編> 崖から突き落とされたライオンの学び

(「腸閉塞は突然に<其の十八>(終) わたしにとって、ストーマ(人工肛門)とは」の続き)

がんが発覚してからの一年、なんなんだ、と言いたくなるくらいどんでん返しがありました。いや、実際に「なんだよ!」と言った覚えもあります。

見えないがんといい、絞扼性イレウスといい、人工肛門といい、一年で4度の手術といい、珍しい体験ばかりしてしまいました。
よく、踏んだり蹴ったりだね、と言われます。それを通り越して「アハハハハ」と、ちびまる子ちゃんの山田ばりに笑うしかない。

しかし、それだけに、学ぶところは非常に大きかったといえます。
これまでも、さんざんそんなことを書いてきましたが、崖から突き落とされて知ることは本当にあるのだなあと思います。もちろん、辛さだけでなく、すてきなこともたくさん知ります。あとから考えると、その方が多い。
ライオンのお母さん、よく分かってます。

わたしの場合、お母さんに突き落とされたのではなく、神様だかなんだかにチョイと押されました。

「おまえはがんになっただけじゃ足りないだろうから、これもやってもっと勉強セイ」というお告げだったようです。わたしの場合、ここまでやらないと、この先行動を起こすまでにならんだろう、と。

ウム、さすが神様だかなんだか。
たしかに、喉元すぎればフェイドアウトになっていた可能性大。
今回の腸閉塞事件ほどのインパクトがあれば、かなり染み付きます。

それほどのインパクトだったと最も顕著に感じるのは、日記や写真を見返すときです。
腸閉塞後の云々ではなく、イレウスになる以前の日記を見て思うのです。

抗がん剤治療が終わって、のほほんとすごしている日記。激痛が襲うその日の朝に撮った笑顔のボウズコスプレ写真。その数日後、数時間後にはあんな事態になるなんて、知る由もなかった。
その時間の経過が、まるで恐怖へのカウントダウンに見えるのです。自らのノホホン具合が、哀れにさえ感じてしまうのでした。

がん発覚前を思い出しても「みんなと元気に仕事したり、遊んだりしていたあのときも、すでにがんだったんだな」などと、しみじみすることはありますが、今回はそれよりももっと鮮明に写ります。まるで、悲惨な運命をたどる小説を何度も読み返すような、映画の一場面をリプレイしまくるような。

それを思うと今更ながら、たいへんだったんだな、と感じます。
こう書くと、非常に鈍感な人みたいですが。

それでもやはり、経験は先生ですね。
この場合、超・スパルタな先生。

わたしもちゃんと学んだんだなとハッキリ感じたのは、これまた最近のことです。

以前登場した、緩和ケアナース・エムさんとお話をしていたときのこと。
初めて訪問して、これまでの病気の経緯やらストーマのことやら話していて、自分の口から出た言葉に自分でハッとするという。

その言葉とは、

「病気や障害はマイナスではないんです」

というものでした。

「いったんマイナスに落ちることはあるけれど、そこから元の位置まで戻っていくどころか、それより全然上にまで上がっていくこともできるんです」、と。

自分で言っておきながら、どこからその言葉が湧いたのか、検討も付きません。でも、それをどこかで感じていたから出たのだろうと思います。

これを、現在健康な人であれ、そうでない人であれ、周りに病気や障害を持つ人がいる人であれ、まだそう思えていない人に心で感じてもらえたら、いろいろと変わっていくかもしれないなと思いました。辛さを和らげることもできるのではないかと思います。
それ以上に、世の中の病気や障害に対する見方を変えるような、それこそインパクトなるものを起こせるかもしれないと思いました。

……うーむ、ちょっと話が大きく飛んでいっちゃいました。

ともかく、スパルタン先生、これからもよろしくお願いします。
でも、手術はもう結構です。

(「白いワンピースの思い出」に続く)

街の空
家々に囲まれていても、電線が張り巡らされていても、美しい空の広がりを感じることは、いつでもできるものです
[療養中フォトギャラリー by iPhone (c)木口マリ]

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~ Comment ~

突然、崖から突き落とされた時、
上を見上げて、もう一度登るのか、
諦めてしまうのか・・

私は、たぶん、小さな穴に
ひっかかった程度なので
えらそうな事は、言えませんが、
(その時は、富士山から突き落とされたと思ってましが・・)
マリさんのように、みんなが感じられるようになって欲しいですね。

そして、崖の底から手を伸ばしたら、
掴もうとしくれる相手がいる、
反対の時は掴めるパワーのある
自分でいたい。

落ちた時しか見えなかった風景が
誰にでも温かいと感じられる環境であって欲しいですね。

>あう さん

あうさん…、詩人ですね(^^)

私は逆に最初はちっこい穴に落ちたと思ってたりして。で、へーきへーき、登れる、と思って登りきりそうになったらさらに深い穴に落とされて、登ったらもっと深くに落とされて、というのを性懲りもなく繰り返した気がします(-▽-)

うん、手を掴んであげられるパワー、持ちたいですね。
なんならみんなで掴んであげたいですね。
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