個室的大部屋

個室的大部屋

大部屋といっても、私の入院した病院では1部屋に最大で4名。人数は予想していたより少ないものの、プライバシーはあまり保たれないだろうと思っていたら、現代の病院ではそんなことはないようです。

2枚のカーテンでぐるりとベッド周辺を囲めるので、(ほぼ)完全個室化可能。一人当たりの広さも十分で、3畳程度はありそうです。

一人にひとつ据え付けられたロッカーには、コートもかけられる縦長のクローゼットや、おさいふなどをしまえる金庫付き。液晶TVは可動式でDVDプレーヤーと冷蔵庫もあり。さすがに無料のお部屋ではTVと冷蔵庫は有料ですが、DVDプレーヤーは無料。何にせよ、広くて清潔な快適空間が確保されています。

(ついでに私は長期入院のときにはキャスター付きの引き出しを持ち込み、ノートパソコンをロッカーの引き出し型テーブルに据え付けて作業していたので、看護師さんやお医者さんに「何これ、お部屋みたい!」とよく言われたものです。)

ともあれ、そんな個室的状態なので、病室に入ると閉ざされた4つのカーテンが見えるだけ。なんとなく無機質で、最初はちょっと奇妙な雰囲気だな〜と思いました。(すぐに慣れて、自分もその一員になってしまうのですが。)
ただ、お年寄りの多いお部屋ではカーテンが開いていることが多いようです。看護師さんが様子をチェックしやすいということもあるかと思いますが、「閉まっていると他の人の顔が見えなくて寂しい」と話している方がいました。若い人は100%クローズです。

うーむ、お年寄りと若者の、他人との関わり方の違いでしょうか。現代社会の縮図のような気もします。

ところで、カーテンが閉まっているとどの部屋も同じように見えるせいか、迷ってしまう方がちょくちょくいました。

ある晩、ベッドでくつろぎつつ本を読んでいると、誰かが近付いてくる気配が……。人が歩く風圧でカーテンがゆらりと波打ちます。
どうもおぼつかない足取り。先生でも看護師さんでもないし……。

すると、しわの付いた手がカーテンのすき間からぬ〜っと現れ、続いてちょっと小太りなパジャマ姿のご婦人が顔をのぞかせました。

お互いに顔を見合わせて、

「……」
「……」(2秒くらい)

ご婦人、ハッと気付き、

「あ〜れ〜、失礼しました。な〜んで間違えたんだべ〜。ごめんなさいね〜〜」

と言って照れくさそうに去っていきました。

現れ方も田舎っぽい口調も、小太りなところもなんだかカワイイ。
ちょっと親近感がわいてしまって、その後は「すれ違うとごあいさつ」の仲に。これも出会いですね。


出会いといえば、患者さん同士でかなり仲良くなっちゃう方々もいました。

お二人とも退院間近で、見た目にはとても元気なご様子。病室内で派手な井戸端会議を始めます。

「梅干しいっぱいあるよ。あげようか?」
「え?こないだもらったわよー!」
「そーだっけ、ぎゃははははー!」
等々。

二人とも田舎のおばちゃん風で、気はよさそうなのだけど、とにかく声がでかい。どのような病気で入院されたのかは分かりませんが、それだけ回復したのはよかったですね(周りの人の迷惑はおいといて)。お互いの連絡先を交換したり、退院祝いのプレゼントを渡したりしながら別れを惜しんでおられました。

とてもさばさばとしていて辺りに強力なエネルギーを放っていたので、一人が退院された夜、残されたもう一人の方があまりに静かで、物悲しく感じてしまいました。

でも、基本的には病院では静かにした方がいいですよー。
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