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腸閉塞は突然に<其の九> 人工肛門と人生の可能性

腸閉塞は突然に<其の九> 人工肛門と人生の可能性

(「腸閉塞は突然に<其の八> 死にたい感覚」の続き)

「人工肛門は、半年か一年後くらいに、おなかに戻すことができると思います」

ハラに造られた新たな排泄口開通発表ののち、ジャニーズ先生から言われていたこと。
そうですか、と答えつつ、全く信用していなかったわたし。

「そんなの聞いたことない。ありえない。一生このままに違いない」と、勝手に決めつけていたのでした。

実は一時的な人工肛門造設はよくあることなのに、単に知らないだけ。

それに、これまでのドンデン返し続きの経験が、そう簡単に信じさせまいと心に働きかけていたようです。

がんではないと言われていた一週間後にがんを宣告され、でもかなり初期だろうから一度の手術で治るだろう、と楽観視していたら予想以上に広がっていてもう一度手術することになり、よし終了!と一息ついたところで、転移があるやらステージも上がるやらで抗がん剤治療に進むハメになり、それも終わってあとは穏やかな日々が……とのんびりしていたら絞扼性(こうやくせい)イレウスを発症し、たいへん苦しい思いをして目覚めたら人工肛門になっていたという。

そんなことが8ヶ月の間に起こったら、信じることが怖くなるのもうなずける(自分で)。
そして、前回までのお話のような、超ド級の落ち込みに陥ったのでした。

それはもう、今後の人生についての望みを失ったような気分。
これまでわたしの周りで大きく開け放されていた「人生の可能性」という名の無数のドアが、一気にバタン!と閉められたようでした。

「この先、恋愛も結婚もできないだろう。それに、仕事も生活も、旅行に行くにもお風呂に入るにも、なにもかもが、今までのようにはいかないだろう」

……そんな心の底辺を歩いて数日間。

そして、ある晴れた日。
2014年のお正月。
お父さんはお屠蘇で昼からイイ気分、子供は福笑いよりお年玉、犬は庭を駆け回り、猫はこたつで丸くなるという、ニッポンが一年で最もお気楽極楽なこの瞬間、

突然にして、
「ま、いっか」という言葉が私の脳全体に浮かんだのでした。

それこそポンッと、空気鉄砲のように。

病院のベッドに横たわり、天井を見つめるだけしかできないまま、「うん、大丈夫。なんとかなる!」と、どこから湧いたか自信満々。

まだ人工肛門自体を体の一部として受け入れられたわけではありませんでしたが、そういう状態で生きていくことをよしとしたようです。それ以降、一度も落ち込みもせず。

以前、「人生観が変わる」といったタイトルで書いたことがありましたが、術後目覚めてから数日をかけて心が修復されていく過程で、生きていくことには必要のない執着を無意識のうちに捨て去ったのだと思います。そして脳に、「うん、この状況でもオッケー」と許可を出したのでした。

結婚したり、付き合ったりしたいと思ってくれる人はいないかもしれないけど、人工肛門があることで、あなたとは友達になりたくない、と思う人はいないだろうと思いました。仕事もまた別の好きなことをやればいいし、温泉に入れなくてもたいしたことじゃないや、と。
それに、それでも付き合いたいと言ってくれる人はホンモノだろうとも思いました。そう考えると、この体が玉石を見分ける機能を与えてくれたと言えなくもない。

◇◇

退院後、よくよく調べてみると、人工肛門造設後に結婚した人も出産された人もいるという。それに仕事も旅行も運動も普通にできるし、お風呂や温泉も入れるとのこと。できないことと言えば、レスリングや重量挙げくらい。

なんだ、それなら何も変わらないではないか。

……そして、気付いたのは、

あのとき、「人生の可能性の扉」は運命の手によって閉められたと思っていたけど、実際には、自分自身の手で閉めていたのだ

ということ。

おそらく、そういうことはたくさんあるはず。

意図的ではないとはいえ、人生の可能性を、失意や先入観から閉ざしてしまってはいけない、と思うのでした。

(「腸閉塞は突然に<其の十> ストーマ(人工肛門)よ、こんにちは」に続く)

木と光とわたしの関係
木がそこにあっても見えにくいのは、光のせいか、わたしの目のせいか
[療養中フォトギャラリー by iPhone (c)木口マリ]
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~ Comment ~

NoTitle

私もマリさんのブログに出逢うまでは、人工肛門になったらずっとそのままなのかと思ってました。
なので、マリさんのそのときの落胆する気持ちが偉そうにもわかる思いです。
何も信じることができなくなってしまうのも哀しいけどあたりまえです。
空気鉄砲の引き金は、なぜ突然ひかれたんでしょう。
自分で閉めた扉の息苦しさから、自分で解放したんでしょうか。
何にしても、短期間で立ち直れたのはホントにすごいことですね!
ご家族や病院のスタッフの方々も安心して救われたでしょうね。

いつかホンモノの方が現れると信じてます♥

生まれて初めてのコメントです

はじめまして、あうと言います。
私も今年の5月に子宮体癌の手術を受けました。最初は抗がん剤治療も必要と言われて、物凄く落ち込みましたが、結果は1a期で、追加科療もなく、予後も良好に過ごしています。
いろいろな方のブログを見て、みなさん大変そうで、私はなんだか中途半端で、申し訳ない・・そんな気持ちでした。
でも、このマリさんのブログに出会い、とても大変な状況なのに、前向きな気持ちや、先生への信頼感を綴る文章に引き込まれました。
なんだか、どうしてもコメントしたい気持ちになって・・。
私はマリさんほど、文章がとくいで無いので、上手く伝わらないかもしれませんが、勝手にいろいろ共感しています。
近くに住んでいたら、お茶したいぐらいです。(トークは得意?なので)
また勝手に拝見させていただきます。
お体をお大事にしてください。

>サザン さん

人工肛門って、かなり遠い存在でした。これこそ、なることはないだろうなというような。
だから普通は知りませんよね(^^;
でも見渡すと、一時的な人工肛門って結構多くて驚きました。それにこれまた貴重な体験。

空気鉄砲の原理はまだ解明されておりません。
単になにかプッチン切れたのかもしれません。とたんに解放されましたね。
そのうち分かったらまた書きたいです〜。
そういや、家族や看護師さんは私の変化を感じたのだろうか。今度聞いてみよう。

ホンモノ絶賛募集中です(>▽<)/

>あう さん

あうさん、初めまして!
コメントありがとうございます(^▽^)/
そして共感していただけてうれしいです。

まずは手術、おつかれさまでした。
私も人工肛門閉鎖術が5月だったので、同じころ入院してたんですね〜。
女性の病気というのは、がんにプラスしてダブルショックですよね。
でも予後も良好でほんと良かった。

がんなどのたいへんな経験は、ものすごく得るものが多いと思います。
生きているうちに起こる出来事ってムダなく栄養になるのだなあなんて。
エコ!!!

あうさんはトーク得意なんですね〜。うらやましい。
私は結構照れ屋でして。ははは。イベントごとは大好きなんですが。

ぜひぜひ、また寄ってください。読んでいただけると光栄です。
あうさんもまずはしっかり養生してください〜。
そいや、味覚の秋ですね〜。

コメントありがとうございました。

マリさん、コメントに返信していただき、ありがとうございました(^-^)
人のブログを見ることはあっても、コメントするのは初めてだったので、とっても嬉しかったです!
私は本日、経過観察の検診で病院に行ったのですが、私も良い先生と出会い、先生と話をするのが、とても楽しいのです。
マリさんの言うとおり、病気にはなったけど、いい出会いがあった。。マリさんのブログにもたどりつけた。
人生、何事も悪いことばかりではないです
ね。
私は今、名古屋に住んでいますが、本当に何か機会があればお会いしたいです。
食欲の秋を満たす、いいお店を紹介しますよ、って、マリさんは現在の体調は如何なんでしょうか?
ストーマ記事の10も見ました。文体が明るいので、ついお元気なのかと思ってしまいますが・・。
長文を失礼しました。ブログを楽しみにしつつ、健康をお祈りしてます。

みっこ

空気鉄砲ですか。
その湧いてくる力というか前を向くエネルギーというか、マリさんの強みだと思います^^
そういう力を持つ大人に育つって、いい育てられ方をしたんだろうなと思います。

>あう さん

こちらこそ、ありがとうございます!
コメントいただくって、すごく勇気づけられるんですよね。それで私も癒されるんです(^^)

あうさんも良い先生に巡り会えたんですね〜!よかった!
医療者にとってはがんのような病気も日常になってしまって、患者さんの気持ちを分からなくなるのが普通かと思うのですが、なぜにこう、すばらしい人がいるのかと思いますね。病院で人生勉強、なんちゃって。

あうさん、名古屋なんですね!
味噌カツ〜、小倉トースト〜〜。
私は東京の片隅でこぢんまりと暮らしております。
お会いしたいですね〜。それ以前に、そう言っていただけるのがうれしいです(^▽^)/
かなり元気になってきているのですが、腸の調子がなかなか戻らないんですよね。今、ハラの中でがんばってくれているみたいです。あうさんも、私も、お互いにファイトー

>みっこ さん

空気鉄砲はほんと、ナゾなんです!
初めての経験でした。あそこまで落ち込むのも初でしたが(^^;
でもそのうち解明したいと思います。

私はどちらかというと、好き勝手やっていいような育てられ方でしたね(-o-)
なので、深く考えずに自分からジャングルでも崖でも突っ込んで痛い目を見て勉強させていただいたような…。動物的育て方かも!
正直、よく大きな被害なく生きて来れたなあというところです。

一時ストマ

こんにちは。今年6/16に緊急手術でストマ造設し、9/3に閉鎖手術をしました。外来へタクシーに乗って歩いて行ったぐらいだったのに、数時間後には手術、ストマがあった、という状態でした。

事前にストマの事など全く知らず、ましてや閉鎖出来るものだという知識もなく。。術前に説明されたはずなのですが、そのまま手術だったので記憶があいまいだし、Webで調べてみても「私に適用されるかどうかわからない」と思い込んで、数日間は永久ストマだと思っていて「ああ、もう好きだったプールも温泉も行けない。。どんな人生になるんだろう」と苦悶していました。マリさんまでの心境に至る事など到底出来ず。

数日後、回診ではっきりと「コレはしばらくしたらお腹にしまいますからね」と言ってもらえて、涙が出そうでした。

入院中にマリさんのブログを拝見して大変励まされました。今、改めて自分の体験をブログにしています。一時ストマは一時ストマで、情報の無さとか、心の問題があったなぁと思いました。ブログを通じて、閉鎖手術された方や、これから閉鎖手術をされる方と交流が出来て、いろんな事が癒される想いです。

お腹に派手な傷は残ってしまったけれど、「生きててよかった!」と思える、この事に感謝です。
Ostomies Save Lives!というTシャツ、アメリカにあるそうなので、欲しいなぁ、と思っています。

>biondaさん

こんにちは!コメントをありがとうございます。
私のブログを見つけていただいてうれしいです!

最近だったんですね〜。まずはおつかれさまでした!
緊急手術だと気持ちの整理が付かないうちに物事が進んでしまって、不意打ちで突き落とされたような感じですよね。
私は手術直後に「戻せる」と言われたのに、まったく信じようとしませんでした。
希望を持って、そこからまた蹴り落とされたら耐えられる気がしなかったからだと思います(^^;
結果的にはストマは大変いい出会いだったので、今はそうなったことに感謝してます。

ブログ拝見しました!
アメリカのパウチカバーいいですね。オストミーシークレットもそうですが、楽し気なんですよね。
日本も、ストマでもそのほかの障害や病気でも、楽しんでもいいんだ〜という社会になればいいなと思います。
私もTシャツ欲しいです(^^)/
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