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腸閉塞は突然に<其の八> 死にたい感覚

腸閉塞は突然に<其の八> 死にたい感覚

(「腸閉塞は突然に<其の七> ICU バッキョの会」の続き)

こんなわたしでも、がんが発覚してからの一年の間で、一度だけ死にたいと思ったことがあります。
緊急の人工肛門造設の数日後、2013年から新しい年に変わりつつあった、大晦日から元旦にかけての寝静まった晩のことでした。

そのときは、すでにICUから一般病棟に移されておりました。
移動先は、マイ・スイート・病棟である、4A病棟。
おまけに、度重なる入院で全てのベッドを制覇した、410号室。

外科の主たる病棟は別の階にあるようでしたが、どうやら、いつもの病棟、そしてお馴染みの看護師さんのチームに配してくれたようでした。

そういった心遣いはこの病院ではたびたび目にすること。とてもとてもありがたく、なによりその気持ちに心が温かくなります。

しかしながら、このときはそのような配慮にも心を開くことができず。
意表をついた人工肛門登場からの虚脱状態は、やはりそのまま。
とにかく無気力で、全てがわずらわしく、放っておいてほしいと思うばかりでした。
受け答えは必要最小限。家族にも、仲のいい看護師さんが会いに来てくれても、作り笑いすら至難の業。究極に無愛想だったと思います。

朝になり、昼になり、夜が訪れ、また朝がくる。

ただ、時が過ぎるのを待つだけの、つぶされそうに重い一日。

がんの治療や、ほかのどんな逆境のときでも頭の中にあったように、「この経験も絶対に無駄にはならない、必ず自分か誰かの役に立たせることができる」と分かっていても、そんな自分を鉛で押さえつけられているようでした。

こういったときの心理というのは、頭では理解しがたい。頭脳と心が対極にいるようです。まるで、わたしの中に二人の人間がいるようでした。

そして大晦日の夜。
術後に毎度ある内臓の痛みと、体中にはり巡らされた管、体力の消耗などで身体が自由に動かせないさなか、気分の悪さと腸閉塞を発症したときのような腹痛で目を覚ましたのでした。そして激しく吐きまくる。

またなにか分からないことになっているんじゃないだろうか、もう一度手術をすることになるんじゃないだろうか……。

夜の闇の濃さは恐怖心を煽るものがあります。

「何度も同じような、解決するかどうかも分からない苦しみに陥るなら死んでしまいたい」

心から、そう思うのでした。
それは、死なせてくれ、といった懇願というよりも、自然のままに死に吸い込まれていくことを望んでいるようでした。

今から考えると、元々弱っていた心に加わった身体的な苦痛もさることながら、どうなるのか分からないという恐怖心が一番の要因だったと思います。生きることの希望よりも、恐怖が勝っていたのでした。

「どうかしている」というのはこういうことかと思います。心にいろいろな物事が入り交じって、ごちゃごちゃでドロドロなヤミ鍋みたいな状態になって、作るつもりもなかった毒リンゴを生み出してしまうような。

そうであっても、自然界はそう易々とわたしを死の世界へいざなってくれるはずもなく。
ただその夜が終わるのを待つために、次の重たい朝を迎えるために、薬の力を借りて耐え忍ぶのでした。

しかし、また同様に、自然界はすべてのものを変化させていくように、心と体も同じままで置くことはありませんでした。知らぬ間に修復は急ピッチで進んでいたようです。

そしてある日突然、出し抜けに、一瞬にして、何の前触れもなく、パチッと電気のスイッチを入れるように、立ち直ったという。

その話はまた次回に!

(「腸閉塞は突然に<其の九> 人工肛門と人生の可能性」に続く)

青の秋空
時がとどまることはなく
[療養中フォトギャラリー by iPhone (c)木口マリ]
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~ Comment ~

うるうる

マリさんの、当時、おそらく心理的衝撃の段階であったことが、まざまざと感じられます。
なんだかやりきれない気持ちになります。
先の見えない不安や恐怖は、気力や体力までも奪うものですね…。
私は、マリさんのような衝撃的な状況にはなってはいなかったけれど、入院中1度だけ
「飛び降りたら楽かなー?」とボヘーっとよぎったことがありました。

だけど、身体の傷が癒えていくように、同時に心も癒えていくことばかりじゃないけど
マリさんは現実をちゃんと受け止めて、立ち直っていくのですね。ほっ。

次回の記事も楽しみにしています!

「自然界は易々と死へいざなってくれない…」名言ですね

だから自分でどうにかしたいと思ってしまうのよね

そういう時あるよね
わかる

それでパッと目覚めて、どうかしてた自分に気付くのもわかる

病気になると愚かになったり黙ったり明るくなったり

忙しい(^_^;)
  • #300 ちっくたっくぼんぼん 
  • URL 
  • 2014.09/06 23:23 
  •  ▲EntryTop 

>ゆるり さん

ほんと、大きな病気というのはスゴイ経験ですよね。
あたらしい感情やら、感じたことのない心の負担やら。
その積み重ねがまた別の動力になっていけばと思います。

星の王子さま、図書館検索したらありましたよ〜。
今読んでいる本の次に借りたいと思います!

私のオススメの本は「木を植えた男」(ジャン・ジオノ原作/フレデリック・バック絵/あすなろ書房)です。
じわ〜っとします。
これも借りようっと。

>ちっくたっくぼんぼん さん

まだ死ぬ時じゃなかったんでしょうね〜。
心身ともに疲労するとそんなんなっちゃいますね。
人間ってヨワイ(><)
でもだから逆に感動も多いのかしら〜なんて。

苦しいことも含めて、経験は尊いなと思います。
ほんと、病気になるとめまぐるしく忙しい(-o-)/
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