腸閉塞は突然に<其の七> ICU バッキョの会

腸閉塞は突然に<其の七> ICU バッキョの会

(「腸閉塞は突然に<其の六> 腸とタコ糸の関係」の続き)

今回はICU看護師さんが多数登場。

しかしながら、一夜にして予想だにしていなかったボディになってしまい、とてつもない意気消沈のさなかにいたわけで、人の顔や、ましてや名前なんぞ覚えているわけがなく。
したがって、大変失礼ながら登場する看護師さんは、Aさん、Bさん、等々で書かせていただきます。

◇◇

手術から一夜明け、毎度おなじみ術後血液検査。
こう何度も手術をしていると、だいたいの流れは把握できるものです。

ところが、点滴が入っている腕からは採血することができません。正しい結果が出ないのだそうで。
じゃあ、また足かな、どちらにしても出にくいから面倒だな、と思っていたら、「大丈夫!動脈があるから!」と、看護師Aさん。

左手首に何か見知らぬ物体があるとは思っていたのですが、どうやら動脈に留置針か何かが仕掛けてあるらしい。そこを利用して血液を採るとのこと。
ピューなんて出たりしないのだろうか、と思ったものの、もちろんそんなことはなく。針は刺さないし、痛くもないし、通常の採血よりも楽。
しかも、動脈だけに、たいへんキレイな血が採れたことでしょう。

この動脈の物体、何かとおもえば血圧を計るためにあるのだそうです。あまりに血圧が下がりすぎると、通常のようにカサカサいう布を腕に巻いて空気入れて計る、ということができないのだとか。その場合は動脈に針を入れて計るという……。改めて、どんだけだったんだ、自分。

血管で血圧計ったり、おなかに排泄口造ったり、医療者はいろいろと考えるものです。そして、それぞれの発想は、よく考えるとものすごいものがあります。

「この動脈の、もう抜去していいと思うんだけどな。どうかな」
と、看護師Aさん。

すると看護師Bさん登場。
「うん、もう抜去してもいいだろうね。でも指示待ちだね」

おまけに看護師Cさんが顔を出す。
「じゃ、先生に聞いてみるね」

ICUの看護師さんはみんなでワイワイやるのが常とみえて、どんどん集まってきます。

そして看護師Cさんはなぜか顔を上気させつつ戻ってきて、
「抜去オッケー!」
と、何やら勝利宣言のような風で、そこにいた看護師さん一同に申し伝えるのでした。

それからは抜去の嵐。
もう、だれがAだかBだかその他だか不明。

「抜去抜去!」
「抜去オッケーだって」
「え?もう抜去しちゃうって?」
「じゃあ私が抜去するよ」

もうこうなると「抜去」という言葉が「バッキョ」としか聞こえない。
森の中を「バッキョバッキョ」とさえずって飛び回る鳥の集団がいるようでした。

どよんとヒトダマを散らせてベッドに体をあずけているわたしのすぐ横は、かなり異空間。とっても女子っぽい。

たかだか、針一本抜く、というだけのことに不思議なことをする……。

あらかたのことがどうでもいい心境の中で、この「バッキョの会」ことは鮮明に覚えているのでした。

(「腸閉塞は突然に<其の八> 死にたい感覚」に続く)

鳥、雪を踏む
バッキョ鳥の足跡
[療養中フォトギャラリー by iPhone (c)木口マリ]
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~ Comment ~

NoTitle

私も動脈に極太の針刺さっていました~あーICU思い出す~退屈だったなあ。
あそこはホントに昼夜の感覚なく、常に監視されているんですよね。
寝ている頭の上の方が窓だったみたいで、かすかに日の光を感じたぐらいでした。
ICUなんて人生でそう経験できるものじゃ(したくない)です。
カルテの紙の量が半端なかったしwww凄いたくさん指示がでていました。
「褥瘡チーム」に経過観察されていたり......そんなチーム知らんかったです。
いまとなってはもっと写真撮ってもらうんだったと残念がっていますw
あんなマニアックな世界ないですよ!
順調にバッキョが進むことは経過良好ですね。バッキョがインプットされました!

>pusu さん

お、pusuさんも動脈針でしたか〜。
私は4回の手術中その1度だけでした。
病院によるのかしら。それともpusuさんもヤバかったのかな…(^^;

褥瘡チームって、そんなんあるんですね〜〜。
病院で働いていたとき、お年寄りは褥瘡だらけだったことを思い出します。
けっこう凄まじかったです(><)

バッキョ鳥の生息地はごく一部に限られます。

NoTitle

バッキョバッキョがまるでホーホケキョ並みに聞こえてきそうです。

動脈圧計の針、私は確か、うとうと中にDrに抜かれたような気が…。
その後に当てられた圧迫帯の痕が水疱になってしまっていた。
女子会的ノリの「バッキョの会」って楽しそうに聞こえますねw。

それにしても怒濤のイレウス、ストーマで、心の準備もなく
身体の一部が、しかも目に見える部分が変わった姿になったことは
とってもショックだっただろうなぁと切なくなります。

>ゆるり さん

そうそう、そんな感じ!
バキョキョキョキョ!です。でもカワイイ鳥ですよ〜。

腕の圧迫、かなり頑丈ですよね。
動脈ってやはりそういうノリなのね、と思いました。
もっとよく見たかったのですが、残念ながら見えず。

ストーマは、山道を歩いていて「ここ、崖くずれするかもしれません」と言われてホントに崖崩れしたみたいな感じですね〜。自分の状態をしばらく直視することができませんでした!
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