腸閉塞は突然に<其の六> 腸とタコ糸の関係

腸閉塞は突然に<其の六> 腸とタコ糸の関係

(「腸閉塞は突然に<其の五> 沈む心と手の温度」の続き)

オー先生にはだいぶ癒されたものの、やはりおなかに人工肛門がある事実が変わるわけでもなく、それでも、嫌だとか生きていたくないとかを思うでもなく、ただの丸太のような状態。

そんなときでも思い出す、オー先生の不可解なひとこと。

「タコ糸みたいなので腸が縛られたようになっていた」

これを聞いたとき、「なぜハラにタコ糸が……?」と思ったのでした。そのときは声を出すのが困難で、それ以上尋ねることはできず。

後日、まだ登場せぬ外科のラブリーW先生の診察のときに詳しく尋ねてみると、こういうことだったようです。

開腹手術後の腸閉塞はたまに聞くことですが、その理由はおなかの中の癒着。そのせいで腸の管が狭くなることがあり、内部が詰まって腸閉塞になるようです。(この部分は『イレウス(腸閉塞)について』茨城県厚生連HPより)

わたしのなった絞扼性(こうやくせい)イレウスは、腸閉塞の中でも最悪のパターン。
癒着はどうやら網の目のようになっているそうで、そのアミに腸が入り込んでキュッと首を絞めてしまったのでした。その癒着がタコ糸みたいだった、ということのようで。そうなった場合、血流が途絶え、6時間程度で腸は壊死するという……。

「まず、二日ともたずに死亡しますね」と言っておられました。

腸が破裂し、血管を通じて一気に体中に菌がばらまかれるのだとか。そうなると、いきなりパタッと意識がなくなって死亡するそうです。

わたしの腸はあと一歩で破裂だったので、ジャニーズ先生の判断がなければ間違いなく今ごろは土の下。おかげでかろうじて腸の壊死と腹膜炎どまりでした。あと人工肛門。

しかしながら、開腹手術をしても腸閉塞になることの方が少ないそうです。なっても、まずは絶食、それがダメなら鼻から腸まで管を入れて詰まりを取れば、ほとんどはそれで解決。
どいういうアタリか、わたしはそれらを飛び越して一番先まで行ってしまったという。

でも、たぶんこれはかなりまれ。
オー先生はこの病院の産婦人科でトップの先生ですが、先生の患者さんで術後の絞扼性イレウス発症はまだわたしを含めて2人だそうで。(「2人も」と言っておられたので、それ以下を見込んでいたのだと思います)。ついでに、人工肛門にまでなったのはわたしだけ。先生ごめんなさい。

こんな厄介な癒着ですが、ラブリーW先生は、「人の体に癒着は必要なもの」と言っておられました。

傷ができたあとに皮膚と皮膚がくっついていく、それも癒着なのだそうです。体の中も同じこと。癒着がなければ手術はできない、とおっしゃっていました。
腸閉塞を引き起こす可能性を作る癒着も、体を治そうとがんばっているからなのだとか。
おかげで死にかける事態になりましたが、それを聞いたらちょっと愛おしくなりました。

それでもやはり、あんな痛い思いをするのは二度とイヤなので術後はできるだけ動きます。
手術からだいたい1週間で癒着ができ、そのあとは増えも減りもしないとのこと。ハラを開ければ癒着は必ずできるそうですが、動くことでいい収まり具合にしようということだそうです。その後は腸の方で、安定する位置に動いてもらうという。

しかし、そいういったことを知るのはだいぶあとの話。
しばらくは横たわる丸太のまま、「タコ糸……?」という疑問符をあたりに浮かべているのでした。

(「腸閉塞は突然に<其の七> ICU バッキョの会」に続く)

(参考)
腸閉塞について詳しく知りたい方、こちらのサイトが分かりやすかったです:
イレウス(腸閉塞)について』(茨城県厚生連HPより)

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~ Comment ~

三男が八歳の頃、盲腸だったにも関わらず、医者が便秘と誤診、様子見したあげくに盲腸が数センチ破裂、腹膜炎を起こして手術しました
その時に菌が体内に廻ると死に至ると言われて、すごく動揺した覚えがあります
体の成長と共に手術跡も成長、いまでは20センチ以上
傷を見ては苦しい気持ちになります

マリさんはそれ以上の苦しみと人工肛門という現実に直面したんですね
どんなに体も心も苦しかっただろうと思います

死に繋がる極限状態を乗り越えて今があるんだね
感謝だね
苦しい話しなんだけど何だか感激してます、この腸閉塞シリーズ(^^)


  • #285 ちっくたっくぼんぼん 
  • URL 
  • 2014.09/02 21:33 
  •  ▲EntryTop 

>ちっくたっくぼんぼん さん

感激なんて、うれしいですっ(^▽^)///

盲腸って転げ回ると聞きました。腹膜炎はさらに…。
子供がそんな目に遭うのは悲しすぎる(T_T)
しかも子供の傷って、伸びちゃうんですね。ううう。

姉も20年くらい前、誤診で腹膜炎になりました。
そんなことがちょくちょくあるんですね(><)
そう考えると、ジャニーズはホントにナイスだったんだなあと改めて感謝です。
命の恩人さまぁぁ〜、と拝みたい。

NoTitle

マリさん、過ぎた話しだとしても、ほんとに良かったねー!と言わずにはいられません(T_T)
ジャニーズ先生、私からも 「ありがとう!」
そしてオー先生もなんて素敵♥
マリさんの運の良さ、周りを取り囲む素晴らしい人たちに恵まれていること。
それは決して偶然なんかではなくて、マリさんの運命なんだと思います。
とんでもないことが起こっても、見えないベールのようなもので包まれて、守られて、それはたぶんこの先もずーっと続いていくような気がします。
有りがたいことに、私もそういう運命にあるような気がするんです。

いつか、マリさんがオー先生のことを樹のようだと例えていましたが、私は病院の建物そのものがM先生に思えます(#^.^#)
単純に建物の白が先生の白衣と重なってるのかもしれませんが、私の中でそれだけ大きな大きな存在となっているんだと思うんです。
信頼できる医師に巡り合えたことも、奇跡と思わずにはいられません。

そうそう、M先生も癒着は回復に向かうための自然現象とおっしゃってました。
腸が、お腹の開腹した傷にくっ付いちゃう人もいるらしいです。
人間の身体って、ホントに不思議だらけですね!

NoTitle

木口様

コメントありがとうございました。
筋トレ頑張りましょう(笑)
ブログ本当に参考にさせて頂いております。
身内も髪が抜け出しており、木口様のオシャレを楽しむという
記事を読み、前向きに頑張ろうとしております。
本当に心より感謝申し上げます。

でも本当に顔って変わると思います。
人は壁を越えた数だけ内面から自信も出てきますし、
人の気持ちを考慮するようになって優しい顔になるんだと思います。
木口さまもきっと以前より人として綺麗になられているんでは無いかと思います。

おはよー

このシリーズ・・・全部読んでからコメント~って
思ってたけど・・・
なんかね・・・なんか
胸がとってもぎゅーーってなってしまって・・・
なんて言っていいのか
どんな言葉がいいのか
うまく書けないんだけど・・・
でもー
良かった。ほんとに良かった。今、こうして生きていてくれることが
ほんとに良かった。。。そんな気持ちですー(☍﹏⁰)
いい先生との出会いに感謝ですねー

NoTitle

自分のお腹の中見られたらいいのになあ。どこかで脂肪が多いと傷が治りにくいって聞いたけど、即ち癒着も起こりにくい(=単に脂肪が邪魔?)なのかな。しかし、マリさん本当に運が良いと思います。守られているんだわきっと。そういうのあると思います。

>サザン さん

ありがとうございます〜〜。生きててよかったです〜〜〜(T_T)

おかしなことが続くなあと思いますが、それ以上の出会いがあるのはうれしいですね。
すばらしい人たちに出会う運命!ってすごーくイイですね。私もその人たちに出会ってよかったと思われる人になるようにがんばろっと。

サザンさんもすてきな先生に出会えてよかったです!
イメージがすごいですが(>▽<)
でもほんと、心を託せるっていう存在なんでしょうね。すばらしいです。

M先生も癒着についてそう言っておられましたか〜。
悪いイメージばかりでしたが、自然の力と思うと「生きてるなあ」という気がしてきます。
けど、傷にはくっつかないでくださいm(__)m

>寅 さん

筋トレ、まずは公園のお年寄りに混ざってやります!
いや、やっぱり恥ずかしいから木の影に隠れて……(^^;

身内のかたにお役に立てて光栄です!
脱毛は結構楽しめます。ホントに(* ̄∇ ̄*)

顔の変化って、ちょっと笑ってみたらなんとなく気持ちが明るくなるのと逆に、心が明るければ笑い顔になるという感じですね。
寅さんも身内のかたも私も、みんなイイものが醸し出せる顔になるといいなと思います!

>kikako さん

ありがとうございます〜(T▽T)/

すてきな人って、こんなにいるんだなあと思います。
現代社会で見えていたものって、かなり殺伐としているというか、どんどん自己中心になっているし、その中でなんとかやっていくのが今の世の中なんだと思っていました。

それが、この一連のことで全く別の次元に来てしまったような気がします。
もしかして、眠っている間にホントに別世界へ飛んでったのかしら?なんて。

>pusu さん

以前、飼っていたフェレットの手術中の写真を順を追って見せてくれたことがありました。
人間のはそうやって記録してないのかしら?

脂肪ってくっつきにくいらしいですね〜。
アブラだから……?
内臓の外側に付いていたらいいかもしれない、なんて…。

運、いいですね。死んじゃったフェレットが守ってくれてるのかな、昔飼ってたワンコたちかな。ご先祖さまかな。
そのほかの何かであっても、なにかでなくっても、感謝したいと思います(^^)/

NoTitle

ほんとうに危機一髪でしたね。
物事がマリさんを死なせない方向で動いていたとしか思えません。
そんな中、信頼できるオー先生の存在は心強いですね。

癒着は1週間でできて増えも減りもしないって初めて知りました。
昔は術後回復室で三日程経過をみてから歩行訓練に入っていましたが、
今は開腹であっても術後翌日には歩かせますものね。
それに今は癒着防止のフィルムがあるんだとか。
医療は日々進歩しているんですね。
昔の手術の時にそのフィルムがあれば…。

>みっこ さん

ちょっと超自然的になってしまいますが、何か私を生かしてくれようとした見えざる手があったような気がします。そういう力にもお医者さんやそのほか関わってくれた人々にも、感謝したいと思います(^^)
もちろん、オー先生にも!

ライター根性なのかなんなのか、入院中はすごくいろんなことを質問しまくりました。
特に癒着については数人の先生に何度も角度を変えておたずねしましたね。
細かくてうるさい患者(^^;

ほんと、医療の進歩ってすごいですよね。それを日々作り出す人間の頭脳って果てしないなあと思います。
私もその頭を使っていかにゃ〜!
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