DVD オブ・ザ・療養生活

DVD オブ・ザ・療養生活

誰でも経験があると思いますが、人には五感と感情がリンクされる、という機能があります。
悲しい出来事があったときに聞いていた曲を数年経ってからもう一度聞くと、そのとき見ていた風景や感情をありありと思い出すというやつです。

わたしは元々、かなりな海外ドラマファン。がんが発覚してからも相当な数を見てきました。
なかでも、一番お世話になったのは「CHUCK」。わたしの「DVD オブ・ザ・療養生活」です。

がんを告知されたときから、初めての入院を控えていたとき、子宮を失うことが決定したとき、抗がん剤の副作用が収束しつつあって疲労しているとき、年末の寒さがボウズ頭に響いているとき、さらにもう一度おなかを開けなければならないと分かったとき……、そのすべてのそばに、CHUCKがありました。

今後、このドラマのテーマソングを聞くたびに、療養生活中のさまざまな喜怒哀楽を思い出すのだろうなと思います。

さて、このCHUCK、どんなものかといえば、メイド・イン・アメリカのおちゃらけたドラマ。
コンピューターオタクで草食系な男子がひょんなことからCIAとして活躍せざるを得なくなるという、コメディチックで頭を使わないお話です。ついでにストーリー展開のツメがところどころ甘い。それでもなんだか許せてしまうような、人で言うと“いい人”的な風体。

そんな深みのないドラマのテーマソングが、わたしの人生最大(今のところ)のイベントの「思い出ソング」に認定されてしまったわけです。音楽が流れ出すと、「パブロフの犬」さながら、あたりがヨダレまみれになるぐらい思い出すに違いない。

なぜこのドラマだったかというと、軽い・笑える・痛くないの三拍子がそろっていたから。

特に開腹手術をしてからは、人が傷ついたり苦しんだりするシーンを見るとドラマであれニュースであれ、数日間立ち直れないほど敏感になってしまいました。次第に治まってきていますが、今でもアニメで人が尻もちを付く場面を見るだけで背筋がピリリとします。手術自体、そこまで恐ろしい体験ではなかったのですが、知らずにトラウマのようになっていたようです。わりと繊細。



また、これは「DVD オブ・ザ・療養生活」ではありませんが、いささか感傷的になったのが「プリティ・リトル・ライアーズ」。
イマドキで超・美形な男女が登場して、高校生活を繰り広げながらさまざまな事件に巻き込まれていくという、いわゆるティーン向けの娯楽ドラマです。

物語は女の子5人のグループのうち一人が殺されたところから始まります。死体が発見されたのに、まるで生きているかのようにその女の子のイニシャルの付いたメールが残りのメンバーに送られてくるという、サスペンス系。

そのため、毎回のオープニングは女の子を棺に納めるシーン。
人形のような灰色の女の子にひとつひとつ鮮やかな化粧をほどこし、髪をカールに巻いて棺の蓋をしめるというもの。背景にはワルツが流れます。それがまるで生きているような艶やかさで、それでももう二度と目を開けることはなく……。

それを見るたびに、自分もそうなっていたかもしれないと考えるのでした。もしそうなっていたら、親兄弟も友達も、どれだけ悲しい思いをしていただろう。そう思うと、居たたまれない気持ちになるのでした。

心というのは、いろいろなものにリンクされるものですね。
たとえ、たいしたことのないドラマの曲や、そのほんの一場面でも。
たくさんの銀杏
それでも、どんなにたくさんあっても、その瞬間とリンクされるのはたった1つ
[療養中フォトギャラリー by iPhone (c)木口マリ]
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~ Comment ~

こんばんは。

私も手術をしてから
テレビなどで痛いシーンを見ると
自分がゾクゾクするようになりました。
なんでなんでしょうね?
前は平気だったのに
見れなくなりました(・。・;

抜け毛がひどくなりました。
キリがないので坊主にしようかなぁと
悩み中です。
ウィッグ買ったけど違和感ありすぎるし
帽子も似合わない気がして
どうしよう~って感じです。
顔が地味すぎて困る(笑)

NoTitle

こんばんは^^五感とのリンクありますね!匂いとかも。
そういえば、私は入院中ずーっと同じ音楽を繰り返し聴いていました。
退院してもしばらくの間聴き続けていたのですが、
ある日気づいたらもう聴かなくなっていました。
あとは怖い本。スティーブンキングのを2冊ほど。。。

テレビで「子宮」とか「がん」とか言っていると、手を止めてじ==っと見てしまいます。
人事と思えなくなっているみたいで。
海外コメディー我が家もよく見ています^^明るいやつが多いかな。
アイ・カーリー、ビクトリアス、サム&キャット......
あと、なんか古~い料理番組の再放送。
ギャグも服のセンスも髪形も古くて、それも面白かったです。

>めこ さん

めこさんも同じくゾクゾク感アリですね!
何か心に変化があるんでしょうね〜。不思議です。
どういうことなのか、もうちょっと考えてみたいと思います。

脱毛、本格化してきましたか!
ボウズもひとつの手ですね。わたしの場合は最後まで完全には抜けきらなかったので、余りを額に流して前髪風にしました。まとめると数本でもなんとなくそれらしく見えるような(* ̄∇ ̄*)
ウィッグも帽子も慣れですよ〜。自信持っていいと思います。
どうしても気になったらグラサンとリップグロスでバッチリです!

>pusu さん

そうそう、匂いのメモリー復元機能はスゴイですよね!
人間もやっぱり動物って気がします。

わたしも「がん」「医療」みたいなのが脳のキーワードになってるみたいです。
自然にアンテナ張っているんですよね。面白いです。

明るいドラマ、いいですよね〜。何もかもすっとばしちゃうようで。
古い料理番組…。おそらく当時の製作側の趣旨とズレた楽しみ方ですね(笑)
最近、浦沢直樹さんの「マスターキートン」アニメ版をyoutubeで見ました。
80〜90年代の古さが漂っておりました( ´艸`)
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