体力老人級

体力老人級

《老人並みの体力になって気付く、“健康体基準思考”》

しばらく脱毛トークが続いたので、ちょっと休憩。

もともと、わたしはかなり体力には自信がありました。
2週間ほとんど寝ずに徹夜仕事をしたり、10キロ近くある機材を背負いながら歩き回って撮影したり、それでも全くゲンキ。
しかし手術、化学療法などの治療をして、気付くと笑えるほど体力・筋力が落ちてしまいました。
どのくらい落ちたかというと、こんな感じ。

DVDをレンタルに行って、一番下の段のものを取ろうと不用意にしゃがんでみたら、立ち上がれない。何かにつかまりながら、ヒザをプルプルさせつつ立ち上がる。
また、しゃがんだ姿勢でナゼかよろけて、立て直そうとしても足を出せずそのままコケる。
タバコを吸っている人とのすれ違いざま息を止めたら、100メートル疾走したあとのような息切れ。
バスに乗り遅れる、と思って小走りすると、10メートルでダウン。
高いところのものを取るために台に乗る、なんてことは絶対ムリ。確実にフラフラするうえに、倒れかかる体を支えることは不可能。大惨事間違いなし。
ひどいときは食事3口で疲労困憊。心拍数120を超える。

う〜ん、老人だ……。

アパートが1階でよかった。
部屋を探すとき候補にあった、ロフト付きの家にしなくてよかった。
そして、大きな病院や消防署(救急隊)の近くで本当によかった。

部屋探しのときは微塵も考えていませんでしたが、異常が発生するととても重要なこと。
だいたいは元気なときに引越しを考えるので、その健康体がオッケーを出す範囲の家や地域で決めていました。
それがたまたま今回は不健康に適う場所でもあっただけのこと。
これまで自分の中の暮らしの基準は健康体だったんだなと思うのでした。
薬の副作用の間、部屋の片すみで、ふぬけた人形のようにダランと寄りかかりながらそんなことを考えていました。

先日、離島での救急の話を聞きました。
その島の医療機関は診療所が1ヶ所だけ。非常事態にはヘリコプターで別の島の病院まで患者を搬送するそうです。しかし、それには相当お金がかかるため、夜に急患が出た場合、ほとんどは朝までガマンしてもらって舟で運ぶのだとか。仮に、昨年12月にわたしが腹痛を起こしたときこの島にいたとしたら、手遅れになって死んでいただろうなと思います。

もしもこの島へ移住しようと思っても、救急の体制まで調べる人はいないと思います。全く違う環境のところに住もうと思うときはほとんどの場合健康で、健康なときは考える必要がないからです。しかし、実際にはそういうリスクも背負うわけです。

一般的にはそれが普通で、全てに先手を打つこともできないのは事実。
それに、リスク回避ばかりしていたら何もできません。
エレベーターのないマンションに住もうが、ロフトのある家に住もうが、離島だろうが、海外の辺境の地で暮らそうが、ケガや病気で苦痛や苦労が増えることがあるにしても、だいたいはなんとかなるのだろうし、そのために生きる幅を狭めるのもどうかと思います。結局、苦も楽も、生きるも死ぬも、わたしがちょうどいいところに住んでいたことも、「運」につきるかもしれません。

ただ、身体的に不都合が起きることを想像もしていなかった自分を見ると、今は気付いていないだけで起こる可能性がおおいにある事態が、当たり前に思っている「基準」の影にはあるのかもしれないと思うのでした。
住民、早朝から宇宙人を呼ぶ
住民、早朝から宇宙人を呼ぶ 宇宙に移住するとたいへんだと思います
[療養中フォトギャラリー by iPhone (c)木口マリ]
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~ Comment ~

わかります
私も力がなくなって、どこかに手をつかないと一人で立ち上がれず、歩くだけでフラフラヨロヨロな時がありました
特に和式トイレ、階段、坂道は最悪でした
健康な時はそんな自分を想像するわけもなく何でもできると思ってますからね
そうなって初めて不自由を知るんですよね
  • #117 ちっくたっくぼんぼん 
  • URL 
  • 2014.07/08 22:40 
  •  ▲EntryTop 

>ちっくたっくぼんぼん さん

そうなんですよね。
なんじゃこりゃ!というくらいのパワーダウン。
先日、半日イベントうろうろしただけで、翌日足やら腰やら筋肉痛でしたよ(--)
ほんと、経験しないと分からないですね。
経験しないと気付きもしないことが世の中にはたくさんあることを経験しました(笑)

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NoTitle

退院した時がまさにそういう状態でした。
二~三段の階段でフラフラしたり、ワンブロック先のスーパーに行ってはぐったりと横になったり。
ローステップバスがとてもありがたかったです。

手術の前後で体力が大きく削がれるので、麻酔でまず消耗するのかなと思います。
入院中もベッドとトイレを往復するばかりで、元気になってからは病室から一番遠い売店に日に一度行くようにしていましたが体力は落ちますね。
木口さんに「食事は運動」と言われて、腸を手術した自分は腑に落ちることが多かったです。

自分の身体がきかない状態を経験するのは悪くないですね。
健康で暮らすのが当たり前でないと気づけますものね。

ゆっくりしっかり体力回復なさってくださいね。

最後の写真、宇宙人を呼んでいるんですか???

>みっこ さん

そうそう!
スーパーはたいへんでしたね。帰りは息切らせながら歩いていました。

特に消化器系は術後がきびしいですよね。
私も手術後はごはんが食べられなくて、さらにどんどん体力が落ちて、もっと食べるのが重労働になってヒーヒーでした。抗がん剤の副作用よりもその方がきつかったです(^^;)

ほんと、健康はありがたいです。
この一連の療養生活で、もともと自分の持っていたものの大切さを教わりました。

写真、そーです。このへんの住民は毎朝ラジオに合わせて宇宙人を呼ぶのです。健康にもなります。
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