マリさん vs. 副作用 <其の一>

マリさん vs. 副作用 <其の一>

一度の手術で終わるかと思いきや、二度目の手術、そしてさらに化学療法まで追加するとは思っていなかったのですが、人生とは面白いものですね、意外な体験があるものです。

さてさて、抗がん剤で一番気になるのは副作用。
世間一般では、「辛い」の代名詞というくらい苦しさが強調されています。はたしていかがなものか。

改めて医療の進歩は目覚ましい。
ひとくちに抗がん剤といっても、予想外にたくさんの種類があります。吐き気がほとんど出ないものや、あまり脱毛しないものも開発されています。また、たとえ同じ薬を使っても、人によって副作用の出方や重さは全く違います。なので、副作用が軽い人もいるのですね。これから抗がん剤を受ける人には朗報です。

わたしが今回使用したのは、前々回のブログでご紹介した“TC療法”。タキソールとカルボプラチンというお薬です。(詳しくは『狂戦士的、抗がん剤』にて!)
それしかやったことがないので、この記事はほんのほんの一体験でございます。



「吐き気はそれほど気にしなくて大丈夫です」

化学療法について説明中の、主治医オー先生のひとこと。
これに、どれだけ安心したことか。
やはり、自分の中にも“抗がん剤=嘔吐”のイメージが相当強くあったのだろうと思います。ほかの副作用についての説明を聞いても、ああ、そう、というくらいで吐き気に対して感じていたような不安にまでは陥らない。きちんとした知識の伴わない先入観の影響力というのは恐ろしいものがあります。まさに、マインドコントロール。

TC療法の主な副作用は、白血球などが減少する骨髄抑制・倦怠感・筋肉痛・脱毛・末端のしびれ・便秘・肝機能障害・腎機能障害・アレルギー反応など。

こうやって列挙すると、たいそう恐ろしい副作用という気がしてきますが、あまり出ない場合もあるそうで。
「じゃあ、もしかしたらひょっとして、髪が抜けない場合もある、かもしれないですか?」と、質問。すると、すかさず先生、

「髪は、絶・対・に・抜けます」

……、あっさり一喝。

ははは、やっぱりそうですか。そんなに期待してたわけじゃないけどさ。可能な限りの仮定形を動員し、最大限遠慮がちに質問した自分の気の小ささが、我ながら情けない。
でも逆にそこまでスパっと言われると、抜けるのが普通なんだという気がしてきます。じゃあ、それで構えときましょ、というような漠然とした覚悟ができたのかと思います。それに、曖昧な期待と不安を行き来しないで済むのはありがたい。

しかし、心とは不思議なもので、時間の経過とともに、不安であれ安心であれ次第に薄れて「ホントかな?」という微妙な疑いが顔を出します。
脱毛宣言をされたというのに、やっぱり自分は抜けないんじゃないか、と何故か思ってきたのはいいとして、吐き気が出ないなんてことが本当にあるんだろうか、という思いが湧きあがってきました。「それほど気にしなくて大丈夫」ってことは、多少は吐く場合もあるんだよな、それって苦しいんだろうな、等々、頭の中でグルグル。懲りもせず、想像に操られるのでした。

こんなときは、納得するまでいろいろな人に質問しまくるのが一番。
たとえ行き着く答えは同じでも、人によって違う表現や、経験から知ったその人なりの考えを聞くことで、より現実味を帯びたものが見えてきます。逆に聞きたくないことを聞いてしまう、なんてリスクもあるのですが、そういうときは、「そういう場合もあるかもしれないけど、わたしには関係ない。大丈夫」と、心のずーっと端に寄せておきます。

で、吐き気について質問した中で納得したのは、前回のブログで外出を勧めてくれたOT先生の答えで、

「この薬で吐く人を探す方がむずかしい」

でした。

その後、自分で体験したところ、確かに一度も吐かず。吐き気もほんの少しむかつきがある程度でした。そのわずかな悪心に対しても薬があり、まったく問題なし。

もとい、一度だけ吐きそうになりました。ですがそれは、ここの病院食がたいへんおいしくなかったから。

そして、楽観をよそに、やはり脱毛しましたね。
などなど、吐き気以外の副作用についてはまたこんど。

(「マリさん vs. 副作用<其の二:治験>」に続く)

ところで、「大丈夫」は魔法の言葉ですね。ひとかけらの根拠がなくても、大丈夫な気がしてきます。
全力なひまわり
ひまわりはありったけの力で咲いている気がします
[療養中フォトギャラリー by iPhone (c)木口マリ]
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~ Comment ~

副作用、私も怖れてた(-_-;)
人それぞれだからやってみないとわからないってところがね

癌治療の辛さは癌そのものの痛みじゃなくて抗がん剤にアリ…って最近言われてるし

こういう事を真剣に考えるとどうなんだろ!?と考えたりして

誰か早く副作用のない抗がん剤を発明しないかな(^_^;)
  • #28 ちっくたっくぼんぼん 
  • URL 
  • 2014.05/12 20:40 
  •  ▲EntryTop 

>ちっくたっくぼんぼん さん

副作用が特にはげしく出てしまう方は本当にたいへんなようですね。でも、世間では辛さばかりが強調されすぎている気もします。良い点もしっかり認識されるような報道をしてもらいたいものです。
副作用のない抗がん剤、近々出るんじゃないでしょうか!抗がん剤自体なくなって、別の治療法が出てくるような予感もします〜。

NoTitle

こんにちは~
私は抗がん剤やっていないのですが、入院中、隣のベッドの方が術後抗癌剤やることになって、ハラハラしながら見て(聞いて)いましたが、思っていたよりあっさりで、四六時中、苦痛を訴える感じじゃありませんでした。後からクル感じなのでしょうか。結局正常な細胞もやられてしまうんですものね......。ところで、抗癌剤流している間、頭を冷やすと毛が抜けなくなるっていう方法をどこかで見ました。あれはまだ標準装備じゃないのかな??DignicapTMっていうキャップに冷却液を流し続けて一定の温度(3℃)に保つ仕組みらしいです。

>pusu さん

わたしの場合ですが、副作用はもちろん大変なのですが耐えられる範囲でした。想像する方がよりコワイものを思ってしまうかもしれませんね。
頭を冷却して抜けにくくする方法があるのですね〜。さっそく調べてみました!
主に乳がんの抗がん剤で使用されているようです。オフィシャルHPでは効く人もいれば効かない人もいるとのことでした。でも、脱毛もイヤなことばかりではありませんよ。わたしは脱毛がおきてからは不満に感じたことはありませんでした!
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