春を呼ぶ税務署

春を呼ぶ税務署

「税務署」

この言葉を聞いてうれしい気分になる人は、多分いないでしょう。
隠すことが何もなくても、ちょっと心に警戒のアラーム音が鳴る気さえしてしまいます。

もちろん、わたしもうれしいなどという感情はなく、特に個人で仕事をしている立場としては、正直、面倒くさく感じるものでもあります。

特に3月は、確定申告の季節。
事業をしていなくても、ヘビーに病院のお世話になったことのある方は、おそらく何かしらの関わりがあったことでしょう。

しかし、3月というのはとてもいい季節でもあります。
「寒い」と言っても春が近付いてくるのをうすうす感じるころ。

だからあえて、毎年わたしは税務署まで歩いて行きます。
あまり歩いていく距離とは言えないけれど、書類と医療費の領収書の入った封筒を抱え、てれてれと歩いていくのです。
早咲きの桜を眺めたり、ところどころが緑色に染まった空き地にほっこりしながら、口笛吹きつつ税務署へ向かうのでした。

以前も書いたような気がしますが、わたしは確定申告が楽しくもあります。
昨年より会計システムを導入したため、たとえ毎日帳簿付けをしたとしても苦ではないのだけれど、あえて1年分まとめてやります。

今回要した時間は3日間。
その時間は、わたしにとって過去1年を振り返る総集編になるのでした。

特に、わたしの人生の一大イベント「がん事件」(その後の「腸閉塞事件」も含む)があってからは、スケジュールに書かれた予定のひとつひとつが、前よりもだいぶ貴重。「この人は気を遣ってうちの近所まで来てくれたよな」とか、「ついこないだ会ったような気がしてるのに、もう1年前だった!」とか思うわけです。特に後者は、「またこの人に連絡したいな」なんて思ったり。これは病気と関係なく思うことですが。



そんな感じで、面倒ながらおもしろい確定申告。
しかし、2年前の申告の時は、少々ドキドキでもありました。

まだハラにストーマ(人工肛門)が登場してすぐの頃、それでも容赦なくやってくる確定申告のために書類を作成し、週刊誌級に分厚い医療費の領収書を抱えて向かったことを思い出します。

その時のわたしの体力の回復具合は、まだ生まれたての子馬の延長線上くらいで、もちろん「お散歩がてら徒歩で」なんてことはできず。しかもバスでさえキツい有様であったため、友達に介添えを頼みたくも平日は難しく、「ヨシ」と意を決して1人で向かったのでした。休日に開いている税務署もありますが、混んでいるであろう中で立って待つなんて、恐ろしすぎてできません。

毎年、同じくらいの春の雰囲気が漂う中で、同じような行動をとると、不思議なくらい過去の記憶が呼び戻されます。それでも自分の立ち位置としては同じではないため、懐かしい時間として感じられるのでした。

子馬のころは、不用意にしゃがむと立ち上がれないという状態。誰かに引き上げてもらうか、なんとか全身の筋肉にがんばってもらって、そのへんにある手すりか何かにすがって立ち上がっていました。
それが、今ではしゃがんでもヒョイと立ち上がれます。片足立ちだって、スキップだってできてしまう。そんなことに、なんとなく感動したりして。



そして、今年の税務署自体はどんなものだったかというと、申告最終日だというのに、待ち時間を含めて5分もいませんでした。20年前の、“ぱそこん”なんてごく少数の人しか持っていなかった時代は2〜3時間かかった覚えがあります。

というわけで終了した確定申告でした。嫌いではないけれど、やっぱり終わってみるとスッキリします。その心持ちのまま、予定していたご褒美として駅前のサブウェイに立ち寄ると、店員さんがこれまた気持ちのいい対応をしてくれるという。「そういえば、前もこのサブウェイは来て良かったと思わせてくれたよな」なんて、過去のほんわか気分も思い出したのでした。

毎年、税務署への訪問が終わると春がやってきます。
2年前も、がんばって遠征(そのころの自分にとって)したことが自信となって、気持ちの上で次の段階へ行けたような気がしました。



ところがどっこい、爽やかな春であるにもかかわらず、今ちょっとボロボロです。運動など(散歩だけど……)で体が疲れると、花粉症の症状が強く出てしまいます。おまけに皮膚のアレルギー反応も強くなって、ところどころ炎症中。

こんなことはここ数年なかったよなと思い、症状のかなりひどかった子供のころを思い出しました。あのころはかわいそうだった。

そんな、数十年前の春の思い出までも呼び起こされてしまった、2016年の税務署訪問でした。

医療費の領収書
今回提出した医療費の領収書 一昨年、昨年と、年々薄くなる、その時の経過が、ちょっと切なくもあります
[療養中フォトギャラリー by iPhone (c)木口マリ]

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