人間になりたい管人間

人間になりたい管人間

2度目の手術は6時間の長丁場。前回は15分程度だったためか、まばたきほどしかかかっていない感覚でしたが、今回は夢まで見ました。(3度目の手術のときも見ました)
術後、「ハッ!ここはどこだ!」とならないために、眠りに落ちる前から「目覚めたらベッドに横になってて、管がいっぱいついてて、おなかが多分痛くて……」と頭にたたきこんでおいたおかげで現実世界に戻ってくるのにはさほど時間はかからず(一度目の手術で学習)。

しかし、前回と違うところは痛くないところ!それに……、管の数が増えていた!

前回は「ウィンドウズパソコンの裏並み」でしたが、それにプリンターとスキャナーと、外付けハードディスクが付いたくらいになっておりました。

管人間パワーアーーップ!製造最終段階の人造人間ばりであります。

具体的には:
酸素マスク
鼻から胃につながる管
胸部に心電図ケーブル4本
腕に血圧計
指先に酸素濃度計
両腕に点滴
(3度目の手術では右手の甲と腕に1本ずつ)
背中に硬膜外麻酔カテーテル
尿のカテーテル
おなかからドレーンチューブ
両足に血栓予防エアポンプ

三度目の手術ではこれらに加え、右手首の動脈に留置針……

意識がある段階では、このうち点滴1本、心電図、酸素濃度計、硬膜外麻酔カテーテルのみが付いていて、その他は寝ている間にセッティングされます。目覚めて「あれっ?!」となりますが、眠っているときにセットしてくれるのはたいへんありがたい。ストレス少なめですみます。昔は起きているときにやっていたものもあったようですが、医学はこういった細かいところでも進歩しています。「こころ」が大事にされていることはいいことですね〜。

それから、数時間後には酸素マスクが外され、点滴が1本になり……と、日を追うごとに、というより、時間を追うごとにどんどん管は外されていきます。必要がなくなったものは少しでも早く取ってくれようとしているようです。
付いているときは“ちょっと動きづらい”という程度なのですが、ひとつでも外れると、「嗚呼、爽快」。特に鼻の管が抜けたときは、窮屈で暗い段ボール箱から青空の下、花咲く野原にパーーッ!と解き放たれたくらいの開放感。先生は淡々と作業を続けており、病室はいつも通りの朝。そのほかの世界も実際、何も変わっていないはずなのに。窓から差し込む太陽の光が妙にキラキラに見えたりして。これはもう、自分にしか見えないマイ・ワールド。

それから時の経過とともに、1本、また1本と外されていき、管人間から人間になっていくのでした。「はやく人間になりた〜い」と言った妖怪人間ベムの心境を身をもって知ったわけです。(古っ!)

しばらくして最後の点滴が抜けた夜の寝返りの打ちやすいことといったら……。ゴツゴツっとした病院のパイプ枕でさえ、羽根枕の心地。「はふう〜〜」と心の空気が抜けていきます。

自由っていい……。管が付いていない暮らしって、なんてすてきなの。(キラキラ)

そんなフツーな状態がどれほどありがたいことかと思うのでした。


〜余談 術後のDr.伊勢谷友介〜

術後、目覚めたときには傍らに麻酔科・Dr.伊勢谷友介が立っていました。(Dr.伊勢谷友介についてはコチラを参照『医学マジック!背骨に麻酔』

Dr.伊勢谷友介 「痛みはありますかー?」
わたし 「大丈夫です〜。でも、すごい震えです」。

わたしの全身はガタガタ震えていました。それはもう、大刻みに。
わたし自身、まったく寒さは感じていなかったのですが、身体は「寒い!さむい!」と言っています。(と、看護師さんが言っていた)
そんなことがあるのかーと思っていると、胴体はすかさずホカホカの電気毛布で覆われ、頭を囲うようにホットパッド(らしき物体)が巻かれました。頭から足先までホカホカ。それにしても看護師さんって素早い。

それからは少々放置。左にはDr.伊勢谷、右には看護師さん。わたしをまたいで二人の会話が始まります。

Dr.伊勢谷友介 「……?なんで血圧が安定しねーんだ?」
看護師さん 「血圧計……、巻き方がゆるゆるです」
わたし (どーりで、腕がきゅ〜ってならないと思った……)
Dr.伊勢谷友介 「なんだよー、あいつら血圧計も巻けねーのか?」
看護師さん 「まだ研修1年目ですから……」
Dr.伊勢谷友介 「あそーなの?ふーん」
わたし (それで納得するの??)

その間、おそらく先生と看護師さんにとって、わたしはただの横たわるホカホカ人形。間に人間が寝てるということを意識していないのですね。

Dr.伊勢谷友介は相変わらずつっけんどんな話口調。でもあっさりさっぱりしてて、裏がなさそう。と、いうか、わたしの血圧ちゃんと計れてなくて大丈夫なの?!ま、生きてるけど……。

多くの患者さんは術前後のことを憶えていないとのこと。が、しかし、わたしはしっかり憶えています。なんだか面白かったので、忘れてはもったいないという根性が働いたのかもしれません。プププ。
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