ストーマには感覚がないのに、腸には感覚がある件+α

ストーマには感覚がないのに、腸には感覚がある件+α

ストーマ。
つまりは「人工肛門」。
すなわち「腸」。

ストーマとは、おなかに切り込みを入れ、そこから腸の切り口を外に出したもの。
そんな奇想天外な状態を、医学は造りだすことができます。
それはまさに、“術”と呼ぶにふさわしい治療法。

そしてさらに奇妙なのは、我々の持つ人体の構造のひとつ。
それは、「ストーマには感覚が全くない」ということ。

ツンツンしたり、プニプニしてみても、自分の腸(=体)に触れている感覚は皆無。
ストーマは、おなかの中に渦巻く腸に続き、さらに胃へつながって食道となり口に至るという、体内にみっちり配置された臓器の一部だというのに、まるで他人の内臓のよう。

しかし理不尽なのは、「腸は痛む」ということ。
下したり留まったりという時はもちろん、腸閉塞なんかになったら大変痛い。

……感覚がないのに痛い?
……痛覚と触覚は別モノ?

意味不明すぎるこの構造。
それを解明すると昨年9月のブログで書いていたものを、9ヶ月後の今、書こうというのであります。

またまた長い前置き。

その時のブログ「腸閉塞は突然に<其の十二> 腸・観察」で書いた、ジャニーズ先生との会話は以下のとおり。

———
キグチ 「ジャニーズ先生、これって、触っても感じないんですね」
ジャニーズ先生 「そう、感じないんですよ」
キグチ 「でも、腸閉塞はめちゃくちゃ痛かったですよ」
ジャニーズ先生 「うん、腸にも神経があるからね」
キグチ 「……」
———

で、「腸・観察」でお約束のとおり、カワイイ人工肛門のクリエイター・ベテラン外科医のラブリーW先生にお尋ねしました。すると、こういうことだったと判明。

※腸の内側の粘膜部分は「感覚がない!」
※腸の外側には筋肉があり、「神経がある!」

腸の外側の筋肉は、中を通る物体を出口方向へと移動させていきます。いわゆるぜん動運動ですが、その時に中が詰まったりして動きが取れなくなると筋肉が収縮できずに痛みが起こるのだそうです。

ぎゅぎゅぎゅーっと力を入れてもどうにもならない腸の焦りを想像してしまいます。うーん、かわいそう。

で、なんでストーマに感覚がないかというと、ハラから出て見えている部分は「腸の内側」だから。タートルネックセーターのネック部分のように、腸をぐりんと折り返して内を外にしているからです。

前に一度文章で書きましたが、今回はイラストで解説。ストーマの断面図です。
ストーマ図解

ということで、普通に触っても感じませんが、強く握ったりすると分かるみたいです。一応、生きた自分の内臓なので、試したことはありません。いつも優しく接しておりました。

とりあえず疑問解決。



そして+αの余談。

腸閉塞になったことがある、というと「何食べたの?」と必ずといっていいほど聞かれます。

腸閉塞は腸に何かが詰まって起こるという認識が強いですが、わたしがなった絞扼性(こうやくせい)イレウスは何も詰まっていなくても起こることがあるそうです。
腸がねじれたり、癒着のアミ目に腸が入り込んで首を絞めたようになったりして起こるため、腸単独でなることがあります。そうなると大変な激痛。人間ってあんなに長時間大声でうなれるものなんだなと、人体の能力を改めて知ってみたりして。

ともかく、その場合、即効ハラを開けます。
そしてまず、ねじれなどから解放してやり、腸をお湯などで直接温めて血流をよくしてやるそうです。それで治ることもあるのだとか。

ちなみにわたしの腸はハラを開けたらすでに赤黒く壊死していて、温めるなんて選択肢はナシ。迷わずカット決定でありました。

しかし、ハラを開けたまま腸をお湯で温めるって……。

煌々とライトが照らす、広い手術室の真ん中に横たわった人間のハラ付近で、お風呂のようにホカホカと湯気の立つお湯に浸けられた腸。その周りには目だけが見えている医師・看護師集団。(イメージ)

とてもシュールなシーンです。

その話を先生に聞いた瞬間、温めている間、みなさんは何をなさっているんだろうと、このシーンを頭に描くと同時に思うのでした。

内臓の出た患者を取り囲んで楽しくお話?ちょっくら休憩?

それは別に構わないですが、何となくその間の患者が微妙に孤独というか、あまりに無防備というか、どうしようもできなくてポツーンとした感じ。

それちょっと、滑稽で寂しい。
わたしは即カット決定でよかったかもと思うのでした。

※がん検診で訪れた別の病院の先生のお話では「絞扼性イレウスはあまりならないんだけどね〜」とのこと。術後の方、心配しすぎませんよう。

参考:『イレウス(腸閉塞)について』(茨城県厚生連HPより)

鶴岡八幡宮のハト
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~ Comment ~

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こんにちは=☆
断面のイラスト分かりやすいです!普段の感覚と逆なんですね。内側が「外」 粘膜って、柔らかくて「弱い」イメージだけど、ものすごい色んなものを受け止められる強いものなのだと思いました。胃や腸は黙って頑張っているんだな~。
癒着って具体的なイメージがないんですが、腸がびっくりしてしまうんですかね?よく、癒着防止シートって聞くんですが、あれはまだ流行らないのかなあ。あ、でもまずは食生活で気を付けなきゃいけませんね^^;
ところで、疑問がもう一つありまして、人工肛門になると「便意」というのはあるのですか?出そうな感じが分かるのと全く分からないのとでは違うかなと、ちょっと思いました。

>pusuさん

こんにちはー(^^)
確かに、フニャフニャで弱そうなのに強いのかも!そういえば最初はかなりおっかなびっくりでしたが、そのうち「けっこう丈夫だよ!」という顔を(ストーマに)されていたような気がします。

癒着は、それまで腸は自由に動けていたのに、ヘンなところにくっついたりそこらにネットできたりして身動き取りづらくなっている感じではないかと想像します。動きづらいよ〜、仕事できないよ〜ってなって詰まったら腸閉塞、みたいな。私の腸の場合はルンルン遊んでいて思わずネットの穴に頭を突っ込んだと理解しています。
私の手術では癒着防止シート使ってくれたんですけどね〜(-▽-;もし使っていなかったらもっと大変なことになっていたのかもしれません。

ところで「トイレ行きたい〜」的な感覚はハラにまったくありませんでした!私のは小腸のストーマだったからかも。大腸の場合はどうでしょうね。ただ、排出されるとちょこっと爽快です。

マリさん、ストーマの図解ありがとうございます。
そうか、ストーマは、腸の内側なのですね。
なぜかワカラナイけど そう知るといじらしい気が してきます。
私は 結婚前も家族の事情で海外、結婚してからますます?海外で(言葉の通じない国に住むことが多くなった)
今はドイツで 私はドイツ語全く話せません。
先生達は いちお英語のできる人が 多いけれど、なんとな〜くたくさんお話できる雰囲気じゃないです(*^^*)

なのでマリさんのお話とってもためになります。
お腹を何度も開けたからって 腸閉塞のリスクが 高まるわけでないということも。
ドイツでは 術後の癒着予防は やはりよく歩くこと、そして水分をたくさん摂ることって言われていますが 腸閉塞自体は 珍しいそうです。
ドイツ人は 腸がもともと短く 複雑でないからかなぁ。
また お邪魔させてもらいますね!

>デイジーさん

お!デイジーさん、海外在住でしたか。
いろいろな国に住めるのは素敵ですね!日本にいるだけでは感じられない様々なことに取り巻かれて暮らしてるんですね。
ドイツは出張でフランクフルトに行ったことがあるだけですが、とても好きな国です。
人も街もいいなーいいなーと、ランランしてました。

しかし、病院にかからなければならない時に海外というのは心細いものがあるかと思います。すごいなあと感嘆。
私は今のところ、病院のそばを離れるのも何となく心配に思ってしまって、隣の県ですら移住したくないような(^^;

腸閉塞自体、珍しいんですね!
自分がなってみるととても身近に感じますが、確かに古くから知っている家族友人では私だけ……。姉などは、「赤ちゃんがなるもの」と思っていたようです。(姉も開腹経験者なのに)

ブログが役立っているようで、すごくうれしいです(^^)/
またぜひ寄って下さいね!
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