そういえば、ウィッグ(かつら)の話・上

そういえば、ウィッグ(かつら)の話・上

これまでボウズコスプレの話はちょくちょく書いてきたものの、よく考えたらウィッグの事を全然書いていなかったと、今更気が付きました。
なので、ウィッグの話を少々。



抗がん剤=吐き気&脱毛!

というのが一般的なイメージですが、ひと口に抗がん剤と言ってもその種類は無数にあり、そのどれを使うかによって副作用はかなり異なります。また、薬は驚くほどのスピードで研究がされているらしく、副作用の少ないものもすでに登場中。ノー脱毛、ノー吐き気も意外と多い。

わたしの受けたTC療法では、タキソールとカルボプラチンという薬を使います。むずかしい話は文末の「参照」を見てもらうとして、とにかく比較的「副作用少な目」な部類なのでした。それは、吐き気が起こりにくいというもの。入院中にわたしを診てくれていた先生団の一味、OT先生曰く、「この薬で吐く人を探す方がむずかしい」と言われるほどに。

しかし主治医オー先生の「絶対脱毛します」というお言葉通り、しっかり脱毛。けれど、脱毛は「痛くない・必ずまた生えてくる・何か楽しめそうな気がする」というプラスポイントがあったため、微塵も落ち込むことはありませんでした。(抜ける髪がかわいそうとは思ったけど)

そして、いかにスカーフや帽子をカッコよく装着できるかと考える日々。押さえとして買ったウィッグはほぼ放置。
何より、わたしはがんのことを全面的にオープンにしていたため、会う人に「ああ、脱毛してるからウィッグなんだよね」と思われるのが気に入らなかったのでした。誰もそんなこと思ってないかもしれない、一人完結型の思考。

ということで、毎日ウィッグを着けてお出かけ、ということはしませんでした。それでもせっかくなのでウィッグの装着感や人々の反応を研究するべく、時折かぶってみることにしたのです。



そんなわたしも、抗がん剤治療が決定したすぐあとは、病棟に置いてあったウィッグのパンフレットをあさり、病室に持ち帰って眺めてみたり、サンプルの髪の毛に触ってみたり、「やっぱり人毛の方が肌触りはいいかなあ」やら何やら、ブツクサやっておりました。

しかし、医療用のウィッグというのは、イマイチ惹かれるものがありません。何しろ写真が大変に地味。モデルの格好も超地味。そしてカタログの色や背景も、腫れ物に触れるような無難な淡さ。

安くても数万円、高ければ数十万円という結構な値段の代物なのに、「これならまだ良いかな」という消極的な選び方しかできない雰囲気なのでした。

だれしも、数万円もする服を買うとしたら「これを着たい!」「これを着て出かけたら楽しい気分になりそう!」と思って買うと思います。たとえ辛い状況の中で必要に迫られて買うウィッグでも、楽しい気分ではいけないはずがありません。

そのあたりに微妙な違和感を感じ(高いし)、ネット上「ウィッグの旅」に出たのでした。そして見つけたのが「ファッション・ウィッグ」。髪がある人が瞬時に変身するために着ける、文字通り、ファッションのためのウィッグです。

そのカワイさと明るさ言ったら!
キュートなモデルさんを見て、「こんな風になれるかも」なんて、間違った期待でワクワクしてしまうのでした。どれにしようか、選ぶのが楽しい。しかも安い。
お店やメーカーによると思いますが、わたしが買ったところでは3000円台から、高くても1万円程度という価格。試しに一つ買ったものは、見た目はなかなかだったものの肌触りがいかにも人工毛。次に買ったものはかなり気持ちのいいサラサラ感でした。

(サイトを見たら、医療用や人毛の販売を始めていました。それはもうちょっとお高いようです。広告っぽくなりそうなのでURLを載せないでおこうかと思いましたが、一応これも文末にリンクを載せておきます)。

ウィッグはすでにブローされた形になっているため、かぶるだけでセット完了なところもイイところ。ヘアサロン行きたてのような美しさが常に楽しめるという。わたしが買った二つはそれぞれ色も髪型も違うので、気分で別人になれます。

そう、結局コスプレ。

スーツを着てキリッとした人に見えるようにしたり、リゾートで白いワンピースを着てみたり、人は案外日常的にコスプレをしているもの。それを意識してやるかどうかというだけです。意識した時がたまたま抗がん剤ボウズだった、というのもいいんじゃないでしょうか。

——ということで、次回は実際に装着してみたお話です。

まて、次号

◇◇◇

抗がん剤に関するキグチの記事:
・「狂戦士的、抗がん剤」まさに投与中のリアル体験
・「マリさん vs. 副作用<其の一>」吐き気について質問しまくるの巻
・「マリさん vs. 副作用<其の二:治験>」抗がん剤の治験に参加!
・「マリさん vs. 副作用<其の三:副作用始動!>」投与後1週間の副作用
・「vs. 副作用<其の四:ぬけげで思う>」脱毛開始で感傷にひたってみた
・「vs. 副作用<其の五:ぬけげ準備>」脱毛前ヘアカットはボブ!
・「vs. 副作用<其の六:脱毛を楽しむススメ>」脱毛のキグチ的対応法
・「脱毛の(どうでもいい)利点・欠点」ラクな点もある
・「脱毛コスプレ入門」スカーフ巻きのキグチ写真
・「脱毛最終章」ボウズなキグチ写真
・「動物?ラスト脱毛から再生へ」ちょっと生えてきたキグチ写真
・「社会的弱者になる」がん治療中の災害対処法まとめ
・「嵐(副作用)の前の準備期間」副作用が始まるまでにやっておくとグー!
・「脱毛コスプレ入門 2」パーティーで使える、スカーフ活用法

参考:
・「TC療法の手引き」(監修:国立がんセンター中央病院 乳腺腫瘍内科グループ)※ただし、副作用については起こる可能性のあるものを載せているので、まったく起こらないものもあります。また、ここにはありませんが、私が出会ったいずれの医師もTC療法の大きな副作用として「倦怠感」をあげていました。体感的には「ものすごい疲れ」といったところです。

・ファッションウィッグのお店「リネアストリア
キグチが買ったのは「ラブメロディ」と「天使のボブ」!ちょっと恥ずかしいネーミング。

抗がん剤 ウィッグ装着中
最後の抗がん剤のあとのため、もっともボウズなころの写真。まゆ毛、まつ毛は数本が残っているのみ。しかし化粧をしてしまえば分かるまい。
(ちなみに、この翌日にハラの激痛で緊急手術をする羽目に。この時の自分はノホホンの極み)
[療養中フォトギャラリー by iPhone (c)木口マリ]

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~ Comment ~

NoTitle

初めまして。
私も抗がん剤治療(GCとGT療法の2種)受けました。

それぞれの療法で副作用は違いました。頭髪が抜けるとき、秋に銀杏の葉が舞い散るようで、お見事!の丸坊主でした。

丸坊主の方が飾りが無いので何となく素直な気分になります。
家内が「丸坊主もいいじゃないですか」と言っていました。

でも、女性の方の丸坊主は可愛らしいですが、おしゃれが難しそうで気の毒な思いで見ていました。何となくうつむきかげんの方が多かったです。
貴方のような明るく捉える方であれば良いのですが・・・。

医療も日進月歩、必ず副作用の少ない薬が開発されるのも真近だと思います。

おっしゃる通り、頭髪が抜けるのは痛くも痒くもないので楽です。
私は吐き気と便秘、食欲不振で食べることができず、10kg痩せました。
ダイエットの基本は食べないことだと知った時です。

明るい闘病記に励まされ、元気を頂きました。感謝します

>バーディ3さん

初めまして!コメントをありがとうございます。
バーディさんも抗がん剤治療をされていたんですね。しかも2種類も。
本当におつかれさまでした!
まさか自分の人生に手術や抗がん剤が登場するとは思いませんでしたが、非常に貴重な経験だったと思います。すべての苦労を経験したくはないものの、実際にやらないと得られない感情や思考は本当に多いですよね。まだまだ知らない世界はあるのだろうと思います。

私は女性の象徴ともいえる子宮や卵巣を取る言われた時は精神的にキツいものがありましたが、多くの女性にとっては髪を失うことも同様に女性の一部を失くすことなのだと思います。私は脱毛にまったく抵抗ありませんでしたけどね(^^;
そんな状況でも、やはり楽しみは見つけられるのではないかと思うんです。私がブログを書いたりイベントをしたりすることで、多くの人にちょっとでもそんな気持ちが起きてくれたらいいなと思います。

確かに、食べなければ痩せますね。
これまで一度も細くなったことのない太ももがヒョロヒョロになった時に、なるほどと思いました。

こちらこそ、コメントをいただけることはとても大きなパワーをもらっているようなものです。
ありがとうございます!

似合ってます!

マリさん、誰?!
ってぐらい、ウィッグが似合ってる(笑)!

坊主もりりしく、
ウィッグはお姉さん、
ターバン姿も素敵でした。
どれも、潔く、凛々しい。

やはり、脱毛をコスプレとして楽しめる気持ちが、表情を豊かにするのでしょうか?

私は・・あの時は抗がん剤ときいて、
一番に脱毛が嫌でしたね~。弱弱です。

でも、マリさんのブログを読むようになって、次回何があっても、少しはマシに考えれる気がします。(本当にできるかは、あやしいですが・・)

しかし、この写真の後に、あの事件が起きたんですね。。一寸先は分からない。。
だから、今を大事に生きないと・・病気になったからこそ、改めて、そう思いますね。

>あうさん

きゃー、ありがとうございます(//▽//)うれしいな〜〜。

赤毛のアンに「楽しもうと決意しさえすれば、たいていなんでも楽しめるもの」という台詞がありますが、確かにその通りなんだろうな〜と思います。私は決意まではしてなくて、「もしかして楽しいかも??」とかすかに感じたのがきっかけでしたが。

あうさんも脱毛には考え込んでしまったんですね〜。
薬でボウズになるなんて、日常では想像もしないことですよね(^^;
どんなことも経験していくと、次の出来事をうまくこなしていくためのタネになるような気がします。そうして人生がどんどん楽しくなっていくような。
でも、もう手術はいいかな〜(-▽-)
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