「人工肛門」を公表したとき

「人工肛門」を公表したとき

以前、がんを公表したときの話を書きました。
しばらく悩んだ後に公表してみたら、みんなすばらしく温かかった、人間っていいよね、みたいなお話です。(「ガンを公表したとき」)

しかしながらその数ヶ月後、わたしにはもうひとつ公表するか否か、考えるべき問題が生じてしまったのでした。ストーマ(人工肛門)です。

ところが、これは特に悩みもせず。
ブログをFacebookに載せるようになって、自然に知れ渡りました。投稿した記事を完全に「公開」にしているので、「友達」になっている人はもちろん、Facebookのアカウントがあればだれでも見ることができます。

全く隠そうとは思いませんでした。
抗がん剤でボウズになったときもそうでしたが、世間のイメージに翻弄されて密かにすごすということは、わたしにとっては何か違うと思ってしまうのでした。たいへん性に合わないのです。単に、アマノジャクともいいます。

「わたし、人工肛門ですよ。フツーに」

と、豪語したいくらいでした。
全員が辿るわけではない困難を経てきたわけで、そこで得た経験値がわたしの自信でもあるからです。

それでもどうしても好きになれないのは、やはりネーミング。
「人工肛門」というのはあまりにダイレクトすぎるものがあります。
自分で言うのはいいのに、人から「人工肛門」という言葉を出されると、今でも少しドキッとします。胸に軽くエルボーをくらったような感覚です。

そういった先入観についてはまた改めて書きたいと思っていますが、とりあえずはイメージが良くないのを分かった上でわたしが取ったカミングアウト法はふたつ。
これはまだ、Facebookに公表する以前に対面した人々に対しての方法です。

ひとつは、いかにラブリーなものがハラに存在しているかを語る!
もうひとつは、「人工肛門」とは言わない!

以下、ある日の会話です。

まずはたいてい、体の調子どう?と聞かれます。

マリ:今ね、すごいですよ!腸が途切れてて、しかもハラから出てるんです!
人々:えー!まじでー!
マリ:こうやってかがめば腸が見えるんですよ。しかも、勝手にウニウニ動くの!
人々:すごーい!痛くないの?
マリ:痛くないですよ。それがまた、生き物みたいで気に入っちゃって。かわいくてしょうがないんですよね。あー、なんか体が生きてるんだなあって、感動もしちゃう
人々:へえ〜
マリ:機会があったらやってみてください!

というような……。

実はこれは計算でそうなったのではなく、あとから、うまく伝わったなと思ったのですが。

話しているうち、相手もそれが人工肛門だということは分かります。でも、先にいいイメージを持ってもらうことで、そのインパクトの方が大きくなったんじゃないかと思うのです。やっぱりたいへんなことだけど、そんなに悪いものじゃないのかな、と思ってもらえたのではないかと。

この話のあと、ひとりの友人(男)はニコニコ動画のリアルイベント・ニコニコ超会議にかけて、「ニコニコ腸会議!」と言っていました……。うまく笑い話につながってよかったような。

◇◇

余談ですが、「機会があったらやってみて」はあながち嘘ではありません。

ここでデータ的なことを申し上げると、現在は永久ストーマ(一生モノ人工肛門)だけで日本に18万人以上いて、それプラス、一時ストーマ(あとでお腹に戻す人工肛門)もいるわけです。

婦人科のオー先生が「僕も将来ストーマになるんじゃないかと思ってるんだよね、今、大腸がん増えてるから」と、とっても普通に(笑顔で)語るのを見て、メジャー入りが有望なのを感じました。

男女とも増えているがんなので、あなたもチャンスがあるかも!

ふわふわ仲間
そういえば、そのころは髪が生え始めたばかりでスーパーベリーショートでした
フワフワの短い毛の生き物を見ると、たいそう親近感を覚えたものです たとえ、植物でも……
[療養中フォトギャラリー by iPhone (c)木口マリ]

にほんブログ村 病気ブログ がんへ
にほんブログ村
スポンサーサイト

このエントリーをはてなブックマークに追加
Guide
  •  …この記事と同じカテゴリの前後記事へのページナビ
  •  …この記事の前後に投稿された記事へのページナビ
 

~ Comment ~

まったく・・そう思います。

こんばんは~♪

100話目の記事の事で すみませ~~ん<(_ _)>
「闘病記」「ガンと闘う」等々・・
私も この言葉は ちょっとね(^^ゞ
闘うって あれも試そう これも飲んでみよう
なんだか かえってストレス溜まりそう(>_<)

私は自分がガンではないので、
そう思うのかな?と思ってました。

けど マリさんの記事読んで
自然に流される事 そうなんだよ~
それが 病気を治す根本的な考え方だと
私の今までの考え方を肯定する事が出来ました。
多分 私も大変な病気になったら
そうするだろうと 思ってます。

あれ食べなきゃ これ飲まなきゃ ではなく 
ごく自然に 多くの食材を食べ
今日のうちに寝る 明るくなったら起きる
(いまどきの 4時は早すぎない?)(笑)
それが 人間の自然の営み

やっぱり・・マリさんの考え方には
共感出来ます。

今日は 安心して寝る事が出来るみたいです(笑)
では、おやすみなさい。

その男気あふれる、男前な考え方、いやぁ~~~本当カッコいいよマリさん
(^。^)y-~

私、もし人工肛門になったとしても抵抗感まったくないだろうな、マリさんの影響で(^.^)

本当にいいこといっぱい書いてくれるね
感謝(*^^*)

  • #416 ちっくたっくぼんぼん 
  • URL 
  • 2014.10/14 22:50 
  •  ▲EntryTop 

>ヨンヨン さん

今日も爽やかに、おはようございます(^^)/
と、思ったら曇りでした。

がんだろうが、事故だろうが、必ず命の尽きる時は来るわけで、治すのに必死になるよりも穏やかにいた方が、私の性分には合っているなあと思うのです。ヨンヨンさんもそうなんですね(^^)
そして、もしガンだったら違う思いになるのだろうか、という気持ちもよくわかります。
私も、私よりももっと辛い病状の人や、身近な人を失ったり、身内が死の宣告されたりという経験をした人の苦しみは想像でしか感じることができません。
書いたものを公に見られる形にしている以上、まだまだいろんな感情があるのだということをいつも心に留めておかなければなと思っています。

ちょっとマジメくさってしまいました!(>▽<)
まずは、自然の営みの中でゆったりいきたいですね〜。
4時は暗いので、4時半にします!

>ちっくたっくぼんぼん さん

いや〜〜〜(//▽//)/
そのへんの考え方、ぼんぼんさんとの共通点じゃないかなーと勝手に思っています。

人工肛門自体もかなりラブでしたが、なったおかげで世界が違って見えるようになりました。
特に、一般に弱者と呼ばれる人に対する見方が変わりましたね。それを広めていけたらもっといい社会になりそうな気がします。ウツなんてなくなりそう。なんて!
  ※コメントの編集用
  シークレットコメントにする (管理者のみ表示)

~ Trackback ~

卜ラックバックURL


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

MENU anime_down3.gif

同じカテゴリの記事が一覧表示されます
同じタグの記事が一覧表示されます
更新月別の記事が一覧表示されます
キーワードで記事を検索